全国の中小企業支援センター支援事例集2

高級家具メーカーをめざす創業を徹底支援
石川県中小企業支援センター(財団法人 石川県産業創出支援機構)


 支援センターについては、創業時より経営計画及び事業計画策定、資金調達支援等さまざまな経営課題に対して適切な助言をいただき感謝しています。
 今後とも弊社の「ホームドクター」として、アドバイザーによる専門的見知からの助言など継続的な支援をお願いしたいと思います。
■リーズナブルな価格で高品質家具を提供する


 目的は、創業にあたっての経営計画策定及び資金調達方法等についての「窓口相談」であった。
 越村社長は外資系企業で自動車分野の製品開発に携わったあと、家具メーカーで資材調達や工場管理全般を経験。 家具メーカーでの経験を活かして、「真に顧客が満足する高品質の家具を自分たちの創意工夫によりリーズナブルな価格で提供したい」という強い想いを抱いていた。この想いに賛同する3名の若手専門家(デザイナー、クラフトマン)とともに創業を計画し、平成12年7月に会社を立ち上げることとなった。
 当センターは、越村社長の創業に対する強い情熱と理念に共感し、担当アドバイザー及びスタッフによる継続的な支援の実施を決定した。

■経営計画と事業計画の策定 資金調達などが経営課題


 企業経営には�いかなる企業を構築するか=経営計画、�そのためにいかなる事業を展開するか=事業計画(ビジネスプラン)の両面があり、いずれも明確にする必要がある。同社も越村社長が創業準備段階から「経営計画」及び「事業計画」の策定に取り組んでいたが、実際の創業にあたり、外部専門家からの具体的な助言を受ける機会を求めていた。
 創業に必要な運転資金、設備資金等の「資金調達」については、国民生活金融公庫の新規開業特別貸付、石川県中小企業振興協会(現当支援機構)の設備貸与制度、石川県信用保証協会の創業関連保証等の公的支援制度を活用。また雇用能力開発機構の人材確保助成金、能力開発給付金等を活用し、新規雇用、社員教員等に役立てた。
 いずれも当センターの担当アドバイザーが中心となって情報提供、申請支援を行った。

■創業の基本ステップを実行着実な成長を支援する


 同社は典型的な創業のケースであり、「経営理念」→「経営計画」→「事業計画」→「実施・確認」という基本的なステップを踏んで支援を実施した。
 経営理念を盛り込んだ「経営計画」及び、絞り込まれた「ドメイン(事業領域)」における「事業計画(ビジネスプラン)」の両面について、平成12年7月以降、越村社長、道畑専務(デザイナー)を交え、経営計画及び事業計画の骨子策定の助言等支援を実施した。
 同時に全社員(当時3名)に対して、意見交換を通じて事業展開の意義、心構え、具備条件、顧客満足等の周知を図り、創業の弾みをつけるように働きかけを行った。
 具体的にはマーケティング、商品企画開発、生産技術開発、品質保証、顧客管理、生産管理、原価管理及び人材育成等を計画的に展開し、その間定期的(月1回程度)に企業を訪問して、助言・支援を行った。
 主たる助言・支援は次のとおりである。

  1. 経営計画骨子策定:経営理念、ビジョン、中期構想、年度経営計画
  2. ドメイン検討と調査検討対象、調査方法:ターゲット市場、顧客層絞り込み
  3. 対象顧客の調査、アプローチ手順、提供情報とその準備、訴求ポイント
  4. 顧客−商品マトリックス作成・活用:目標設定とマーケティング戦略検討
  5. 市場展開マトリックス作成・活用:顧客戦略、地域戦略、業態戦略検討

 事業の進捗状況に併せて「中小企業経営革新支援法」の認定申請計画について、アドバイスを実施し、平成14年3月に認定を受けることとなった。
 また、平成14年3月には「事業可能性評価委員会」を開催、経営者や大学関係者、コンサルタント等の有識者から同社の事業計画等についてアドバイスを行った。


■当初経営計画の目標をクリア 自社ブランドの確立をめざす


 創業以来、全社員の努力により、第4期・第3四半期を経過し、業績は当初経営計画を上回るスピードで推移しており、今期の売上目標も1億5000万円超え、収益も順調に推移する見通しである。
 今後とも商品企画力を磨き、ノウハウを蓄積して、将来的には自社ブランド立ち上げをめざし事業に取り組むこととしている。
 当センターとしては今後とも、担当アドバイザーを通じて同社の自社企画商品展開も含め経営計画、事業計画策定等について継続的に支援していく方針である。
 全社員参加による経営活動における主な成果は次のとおりである。

  1. 高品質の家具販売に重点を置く小売店の開拓、売上確保、粗利確保
  2. 異業種(注文住宅メーカー)とのアライアンスによる業態開発
  3. 第3期〜中期経営計画及び年度経営計画策定
  4. 財務管理・資金管理と有効な資金調達。金融機関の評価向上・各種融資制度活用、雇用能力開発助成制度活用、キャッシュイン確立
  5. 新商品開発計画&開発体制整備。商品群の拡充、業態開発





事業の成長ステージに応じたタイムリーな支援策の活用
滋賀県中小企業支援センター(財団法人 滋賀県産業支援プラザ)



 お客様のどのようなご依頼にもお応えする守備範囲の広さと、チャレンジ精神をモットーに、お客さまに満足して頂ける製品開発に日々努力しています。FA用パソコンシステム、省力化機械、制御盤、電子装置、画像処理用LED照明装置等の開発・製造・メンテナンスまで、厳しい品質管理体制で短納期・高信頼性でよりよい製品づくりをめざして、全社員一丸となり努力しています。

■技術者集団がもつ強みと経営上にみられた課題や矛盾


 社長は1993年5月、勤務先のエンジニアリング会社から独立し、部下だった7人のエンジニアとともに有限会社を創立させた。「全員が得意分野をもつ技術者集団である」という強みを活かして、さまざまな業種の製品開発に取り組んできた。家電部品組立装置、駅前ビルのからくり時計、雨量データ情報システム、飼料プラント制御システム、生産ライン監視システム、立体自動倉庫など、同じ会社が製造したと想像できないほど多種多彩な品種である。イマックならではの開発製品と、当社では自負しているところである。
 ただし、一品ものの開発だけでは安定した売上の継続が難しく、利益面や財務面からも経営全般としても安定していなかった。
 また、技術者ばかりの集団で、財務・税務・人材教育・原価管理等の管理上のスタッフシステム的な課題や生産体制・品質管理体制・販売体制など、ラインシステム上に多くの課題・矛盾を抱えていた。

■創造法認定で事業の柱を据え次々と支援策を活用していく


 同社では経営上の課題解決に向けて、ある程度まとまった仕事量を安定的継続的に受注できることが求められた。そこで98年に2件の中小企業創造活動促進法の認定を受け、これによって開発費を捻出して、事業の2本柱を据えることができた。「産業用全自動電線加工装置」と「産業用LED照明装置」である。
 前者は複数の電線を一定寸法に切断し、圧着やソケット挿入などを自動でこなす省力化機械である。後者は画像処理に使うカメラの照明で、光の当て方によってキズや中身の検知ができ、半導体の製造ラインや農作物の出荷場などで幅広く活用されている。両者とも汎用性があり将来性も大きく、お客様のそれぞれの要望に応える手作業仕上げは、大企業の参入しにくい、いわゆるニッチ分野である。
 2000年には「歪ゲージ式モニタリングシステム」で創造法の認定を受け、事業可能性評価事業でAランクの評価を受けた。同システムは電源不要の非接触型モニタリング装置で、センサーを橋やトンネルに取り付けたり、コンクリートに埋め込んで構造物の歪みを測り、劣化度合いの数値化や、修理時期の予測ができるもので、多方面での応用製品開発が期待できる。
 また経営管理上の種々の課題に対応していくため、2000年7月にビジネスプラン作成講座を受講するように勧めた。また2000年10月以降、さまざまな分野で専門家派遣制度の利用を勧め、支援を行ってきた。2000年10月にはキャッシュフロー・在庫・原価管理システム構築のため専門家派遣を行っている。2001年1月以降にISO9001及びISO14001の認証取得のため専門家派遣を行っている。さらに、2002年7月には3S運動、2003年5月には工程改善でも専門家派遣を行っている。
 2001年から毎年当プラザ主催の展示会(マッチングフェアー)に出展し販売促進活動を行っている。
 創造法認定後の支援策の活用による、滋賀県及び当産業支援プラザの支援活動によって、融資・投資・補助金制度をフル活用することができ、資金調達も順調に行うことができた。

■金融機関が技術力や将来性をみて評価するほどの信用力がついた


 支援センターの事業可能性評価事業でAランク評価を受けたことは、信用力増強の効果が大きかったと社長自身が評価している。ITバブル崩壊による商談不成立や資金調達難のとき、担保だけでなく、技術力や将来性で金融機関が評価してくれるだけの信用力をつけることができた。
 また、専門家の活用による経営体制の着実な改善実績が大きいものと推測できる。ISO9001、14001の認証取得や工程改善の成果や3S運動の定着など成果実績をあげ、売上を毎年2桁成長させていることの大きな要因となっている。






システムLSI化技術で社会のニーズを具体化
京都府中小企業支援センター(財団法人 京都産業21)



 創業当時から資金調達が大きな課題でしたが、支援センターである京都産業21主催の「ビジネスプラザ京都2002」に参加したことで、ベンチャーキャピタルからの投資が実現し、その後のフィジビリティ・スタディ調査やビジネスプラン実現のためのアドバイスもいただいて、これまでの研究開発の事業化が一気に加速しました。支援センターの御協力には、たいへん感謝しており、今後もよきサポーターとしてお付き合いさせていただきたいと思います。



■人にやさしいシステムLSIで社会貢献に特化した活動を展開

 
 歴史と伝統の古都・京都は、平安遷都以来1200年ものあいだ、西陣織や京友禅に代表される伝統産業が受け継がれている一方、京セラ、オムロンなどの独創的なベンチャー企業発祥の地としても広く知られている。
 システムLSIや半導体回路の設計を本業とするアーベル・システムズ株式会社もこのような京都の土壌から生まれた有力なベンチャー企業の1つである。同社は、平成12年3月に設立された若い会社であるが、「人にやさしく、生活に即応したシステム」をLSIの活用によって具体的に実現していく「システムLSI事業」を経営の柱として、革新的な製品開発を手がけている。
 鈴木文雄社長は、九州大学大学院情報工学科博士課程修了、三菱電機株式会社の元応用技術部長の経歴をもち、21世紀を迎えて多様化するニーズに対処していくため、20年前からこのシステムLSIの必要性を主張して、研究開発を続けてきた。また、株主構成も、大学教授等30%、新進気鋭の起業家30%、企業OB30%と個性的で、大学・研究機関からの幅広い提案や協力が可能な組織体制となっている。

■支援策を活用して資金調達を実現


 同社が、現在急速に事業化を進めている分野の1つが新方式太陽電池の開発・販売である。
 これは太陽光を電磁波として捉え、高効率の集光を可能とする同社のキーテクノロジーの1つである「誘電体アレーアンテナ」を特別の製造プロセスで安く製造し、これを太陽電池セル上に装荷することにより、エネルギー変換効率の大幅な向上を低価格化で実現するものである。
 この技術を商品化し、販路拡大を図っていくためには、自己資本の増強や追加運転資金を確保する必要があったが、創業後の初期段階において研究開発に専念する経営方針を採っていた同社は、当然のことながら資金調達が大きなネックになっていた。そこで、京都府の中小企業支援センターである財団法人京都産業21の支援施策「ビジネスプラザ京都2002」に参加して出資者を募ることにした。
 この制度は、ベンチャーキャピタル関係者や投資家、ビジネスパートナーなどの関係者に対して自社の技術製品のプレゼンを実施し、投資や商談などのマッチングを進めるものである。
 同社も平成13年11月に当財団の事業可能性評価委員会でビジネスプランについての審査・評価を受けたあと、専門家による徹底したプレゼンのブラッシュアップ指導によりノウハウを習得した。そして、翌14年2月に日本政策投資銀行(東京)、3月に国立京都国際会館の2会場でプレゼンを行った結果、ビジネスプランの成長性・将来性などが評価され、ベンチャーキャピタル6社から、総額1億8000万円の投資を得ることに成功した。結果として、当初の調達希望金額を上回る金額を調達でき、これを契機に開発製品の商品化が大きく前進することとなった。
 なお、このビジネスプラザに参加した他社からも、専門家による指導がたいへん効果的で、その後の事業展開に大いに役立っているとの感想が寄せられている。

■フィジビリティ・スタディ(F/S)調査でた販路開拓の戦略を練る


 将来的に期待されるこの新方式の太陽電池は理論的に実証されてはいるものの、実際に商品化を進める際には、同社で想定している基本性能や仕様、販売分野、価格設定などが市場ニーズに適合しているか否かを事前に検証しておくことがどうしても必要であった。
 この課題についても、当財団の販路開拓の支援策である「ビジネスプラン可能性調査支援事業」のサポートを受けることになった。これは、ビジネスプランの商品化・事業化に必要な実現可能性調査(フィジビリティ・スタディ(F/S)調査)を民間調査機関に委託して実施し、その調査データを提供するものである。そして、調査の際には、内容にブレが生じないように、支援センターのPM・SMの統括的な指導、管理の下に作業が進められる仕組みとなっている。
 同社の場合も、用途別の性能・品質のレベルや適正価格帯に関する市場データを入手し、具体的なマーケティング戦略を確立することが可能となった。

■売上も急速に伸び将来を期待される企業に

 
 本方式による高効率エネルギー変換原理は、デジタルカメラや液晶ディスプレイ、発光ダイオード(LED)などの多用途への応用が可能であり、すでに大幅な高輝度化を実現できる「誘電体ナノ・アンテナ付高輝度発光ダイオード(LED)」の事業化にも着手している。近畿経済産業局の近畿エネルギー・環境高度化推進プロジェクト(EEネット)の指導も得て、大手LED製造会社との共同開発など、量産化に向けての条件も整えた。
 売上は14年度が1億6728万円と初年度の3倍以上に上昇し、資本金も支援開始前の2倍近くに増強。今は、これらの新製品に同社の得意とするシステムLSIを機能的に搭載して、最終的にオリジナリティのある製品として市場へ打ち出していく正念場を迎えている。
 鈴木社長は、「研究開発過程において、よいタイミングで効果的な支援策を活用できたことが、よい結果につながった。」と語る。
 新しいアイデアの創出、製品開発を進め、世界に通用する企業としての今後の活躍が大いに期待されている。






■「自助努力」と助成金・アドバイザー派遣活用による販路拡大
大阪府中小企業支援センター((財)大阪産業振興機構)




 ベンチャー企業を起こす場合、困難な問題は多くありますが、大きくは製品開発、販路開拓、資金調達の3点と考えます。
 「テイクオフ大阪21」の認定により、助成金でのスムーズな製品開発、社会的な信用、アドバイザーによる販路開拓が上手く機能し、おかげさまで当初の計画どおり黒字決算が可能となりました。
 今後とも一層の努力と、さらなるご支援、ご指導を頂き、事業の安定成長をめざす所存でございます。


■経営理念は「水と共に生きる」3人の共同研究からスタート
 
 今回事例に取り上げる水質・生物活性化装置メーカーは、損害保険会社在職中から水と空気の環境問題に関心をもち、3人で共同研究を開始した(3人の名前からUTKの名称が決まった)。『「良い水」とは、好気性の微生物や水生生物が多数生存繁殖し、それらが活発に活動し自然な"生物循環""生物浄化"が恒久的に可能な「活性化された水」である』という考えを理念とし、その具体化のための装置を開発しようという研究である。
 現在、ため池や湖沼、ダム、鑑賞池、人工水系施設などの閉鎖性水域は慢性的に有機汚濁化されている。生活排水の流入や人的な護岸工事などにより、富栄養化し、さらに温暖化により、アオコの発生、藻類の異常繁殖、悪臭などが多発し、環境にも悪影響を与えている。
 このような状況を打開するための試行錯誤を重ねた末、生物処理法である活性汚泥法・曝気法を基本とする水質・生活活性化装置「グラナ」を完成させ(特許出願)、勤務していた損害保険会社の解散を機に事業化を開始した。

■装置性能の検証実験で競争優位性が確認される

 「グラナ」はため池などの閉鎖性水域で貧酸素化状態にある環境を改善し、アオコや藻類の発生を抑え、悪臭を解消する装置であり、しかも薬品や処理剤を一切使用しない。
 つまり、対象となる水域に空気を送り込み、酸欠状態を解消するのと併せて水中に生息する好気性土着菌を活性化させる曝気装置である。
 しかし先発企業も多く、また装置の性能や構造についても、薬剤やバクテリアの投与、ろ過・攪拌循環装置、人工滝や噴水などの設置のために高額な費用を要するものなど多岐にわたっており、こうした業界特性のなかで「グラナ」の優位性を訴えてもなかなか取り上げてもらえず、コストだけがかかる状態がつづいていた。
 ところが、平成14年4月、大阪版SBIR(中小企業技術革新制度)事業に応募し、その認定を受けたことにより、大阪府泉南郡熊取町の長池での「グラナ」の検証実験が開始された。
 そして同年10月には実証結果を公表することができ、その競争優位性が確認された。またテレビでこの検証実験の様子が特集で放映され、販売促進に大きな効果をもたらした。

■助成金制度を活用してマスコミでは一躍有名企業に

 事業化の目途が立ち、法人設立を計画していた平成14年12月に、(財)大阪産業振興機構(大阪府中小企業支援センター)の事業可能性評価事業「テイクオフ大阪21」に申請し、そこで高い評価で認定され、助成金(創業バックアップ奨励金)も最高の400万円の交付を受けた。
 収入の少ない事業立ち上げ期の資金援助は実に有効であり、さらに「テイクオフ大阪21」の認定は社会的信用力ともなった。
 また、京都の有名神社仏閣の景勝池や全国の各自治体の池やダムに至るまで代理店と連携して実験検証を進めるなかで、一定の販売活動の成果はあったが、本格的な販路開拓まで手が届かない状況にあった。
 こうしたなかで同支援センターのアドバイザー派遣制度を活用し(平成15年11月末までの活用回数17回)、時にはアドバイザーの人脈を使った支援も得ながら徐々に販路と代理店を拡大し、現在全国二十数カ所において装置導入にこぎつけており、初年度から黒字決算になる見込みである。
 また平成15年10月には、池田銀行主催の「ベンチャー助成金制度」へ応募したところ、優秀賞と奨励金50万円を授与され、それらに関連してマスコミからの取材も増え、一躍有名企業にまで成長している。
 来期もすでに全国約30カ所の導入予定案件があり、また新たな技術開発のため、「中小企業創造活動促進法」を利用して実験検証する予定も入っているなど、いよいよ本格的な事業展開となった感がある。

■最大の成功要因は自助努力目標は10年後の上場

 田中社長は「厳しい経済環境下において、環境分野での弊社のこのような実績をつくり得たのは、(1)既成概念の打破、(2)強い経営理念、(3)経験則により積み上げた継続的な技術開発、(4)独自な販路開拓、(5)コンプライアンスの遵守と誠実な対応の5点と、この5点に対する多くのチェック機能が働き、失敗と時間や経済的なロスを最小限に留めたこと」と総括されている。
 このような自助努力と相まって、「大阪府SBIR事業」による高い性能評価や「テイクオフ大阪21」の認定による社会的信用力や助成金、アドバイザー派遣などの効果的支援、地方銀行主催のベンチャー支援事業などがタイムリーにかみ合い、さらにそれらをマスコミが報道してくれることで、社会的信用力がますます高まり、販路拡大にもつながるなど、結果的に1つの成功事例となったと考えられる。
 国や都道府県などの各種支援メニューは多岐にわたるが、やはり対象企業の経営理念に裏打ちされた自助努力が最大の成功要因である。
 環境保護はいまや世界的規模での問題であり、日本国内でも、水と空気はタダという認識から徐々にコストがかかるものと変化しており、環境分野への対応ニーズは確実に増大する。
 田中社長は「将来的には養殖場や下水道分野の市場も拡大したい。目標は10年後の上場です」とその抱負を語っている。たゆまぬ技術革新とさらなる販路開拓でさらなる飛躍を期待したいものである。





E‐mailを活用したパソコントータルサポート事業
奈良県中小企業支援センター(財団法人 奈良県中小企業支援センター)





 奈良県中小企業支援センターには、開業時より現在に至るまで常にご支援いただき、感謝しております。
 今後も数々の支援策を利用させていただくことで、大きな成功を掴みたいと考えております。
 開業してまだ日も浅く、事業展開のうえでは種を蒔いている段階ですが、現在の中心事業となっております業務用経営管理システムの構築やHP開発では「非常に大きな効果が得られた」とのお客様のお声も頂戴し、弊社としましても喜んでおります。

■支援事業を活用してPCトータルサポート事業に挑む

 
 業務用のシステム開発をはじめとした企業のIT戦略推進から個人用のパソコン(PC)の出張サポートまで幅広いサービスを提供しているエクシーでは、パソコン機器や、インストールしたソフトの修正、更新情報をメーカーを問わずに一括して電子メールで通知する「一括メールサポート」サービスを開始し、全国展開をめざしている。
 同社は、奈良県中小企業支援センターの「事業可能性評価委員会」で高評価を獲得し、県の創業支援施設「やまと創業インキュベータ」(奈良市高畑町)の第1期入居企業の1つとして、平成15年4月に事業を開始した。
 もともと美容室を経営していた柳田生哉社長は、当時よりPCを用いて顧客管理・売上管理・経営分析などの管理システムを作成し、店の経営に導入していた。
 しかし、PC業界は毎日のようにハード・ソフトの新商品が次々と発売される環境にある。ユーザーはそのたびに、それらに対応するハードを入れ換えたり、ソフトを買い足したりしなければならない。
 柳田社長自身は美容室を経営するかたわら独力でPCについて学び、「この目まぐるしい変化についていけずに悩んでいるユーザーはかなり存在するだろう。そして、これらに対するトータルサポートをメール1つの問い合わせで解決するサービスができれば十分な市場が発生するだろう」ということに思い至ったという。
 これをきっかけに慣れ親しんだ美容室を廃業し、このPCトータルサポート事業を創業する決意をした柳田社長は、前述の通り事業計画を奈良県中小企業支援センターに持ち込み、創業者支援を受けることとなった。

■ハードとソフトの一括メールサポートでビジネスモデル特許を出願中


 「一括メールサポート」は、パソコンや周辺機器、またはソフトについて、最新の更新情報や修正情報を、メーカーや機種を問わず電子メールで顧客に伝える。
 このサービスは、まず、顧客がエクシーのホームページで住所、氏名等の基本情報、また、パソコン、プリンターなどのハードのメーカーや型番、OSの種類、インストールしているソフトの名称やバージョン情報などを入力して会員登録する。
 これに基づいて、同社は、ソフトの修正情報やハードのトラブルを調査。顧客のパソコン環境に合わせたハード、ソフトの両面にわたる最新の更新情報や修正情報を、会員に月1回まとめて電子メールで通知するシステムである。
 類似のサービスは、各メーカーでもみられる。しかし、パソコン1台に複数メーカーのハードやソフトが同居している場合が多く、トラブルが発生した場合、ユーザーは発生原因を探るために、いくつものメーカーに問い合わせしなければならなくなる。
 ユーザーにとってのこの繁雑な作業をメール1つで解決すべく、一括して各メーカーの情報を蓄積し、ワンストップサービスでサポートしようとするのがこの「一括メールサポート」の狙いである。なお、同社のこのビジネスモデルは、現在特許出願中である。

■システム開発やWebデザインでもユーザーに高い成果を提供


 現在、同社の中心業務となっているのは、各種の企業データを活用した経営管理システムの構築サポートと、せっかくシステムを構築しながら機能を使いこなせていない企業のサポートである。
 エクシーが現在システム管理を行っているA社は、それまではある会社にシステム管理を完全に委託していたが、アフターフォローが不充分で、システムも不安定、バックアップも取れていない状況であった。しかしエクシーのシステム管理に換えてからは、万が一システムが止まっても初心者がボタン1つで1時間以内に復旧できるため、非常に喜ばれているという。
 その他、より高度なホームページの開発もサポートする。これまで、企業のホームページは、とりあえず開設はするものの、利用者にまったくみてもらえないページが目立っていた。そこで、同社では、よりホームページへの訪問者が増えるよう、検索サイトでは2ページまでに来るようなサイトづくり、また、決済機能の付加・CGIプログラムなど、売上に結びつくホームページ製作をサポート。また、商品が売れるホームページ作成のノウハウ提供、いわばWebデザイナーとしての役割も果たしている。
 この同社のホームページデザインサポートにより、最も顕著な効果をあげているB社(衣料品小売業)は、いまやインターネットストアの売上高が同業者間では日本1位、総合順位でも15位、月別の売上高としては1000万円以上という成果をみせている。

■当センターに専門家として登録県内企業のIT化推進事業にも参加


 奈良県内は個人のパソコンの普及率は高いものの、事業で用いるような対企業向け、対消費者向けのいわゆるE−ビジネス等へのIT活用では、依然として立ち後れが目立っている。
 「県内企業のほとんどはIT化を望んではいるが、効果的な方法がわからない、金額面・人材面の問題でなかなか踏み切れない、といった状況にある。そういった企業に対して、初歩的なことからITビジネスまで、小回りのきくサービス提案を行っていくことで地域産業にも貢献したい」という柳田社長。
 現在は奈良県中小企業支援センターのIT関連専門家としても登録し、積極的に県内各地の講習会での指導や講演に参加することで、事業者や個人の啓蒙活動にも努め、顧客の立場に立ったサービスの開発と提供をめざしている。





匿名メールシステム「とくアド」による事業展開
山口県中小企業支援センター(財団法人 やまぐち産業振興財団)


 私どもの商品は、世の中には、まだまだ認知度が低く、普及もこれからという状況です。そうしたなかで、私どもの商品の可能性を認め、理解していただいた県中小企業支援センターの存在とサブマネージャーによる支援は、大きな自信となっています。
 当センターからは、当社を重点支援企業として位置づけていただき、継続的な支援を受けていますが、なかでも、支援の一環として県中小企業支援センター(やまぐち産業振興財団)において、当社システムを導入していただくなど、システム普及化に向けた取り組みを積極的に行っていただいていることは、大きな喜びであり、心強く感じています。


■新たな技術との出合いが新会社の設立につながる


 社長である山縣日出人氏は、山口県下松市でブライダル・サービスを手がける有限会社オフィスサンデルを経営している。
 ビジネス・チャンスとして、一事業部門を事実上分社化して創業した企業である。
 事業化のきっかけは、社長が、現在の事業の技術開発担当者である人物と出会ったことからはじまる。
 その後、事業展開について検討した結果、新会社を設立しようという結論に達し、現在に至っている。

■窓口相談から事業可能性評価そして重点支援企業に選定


 当支援センターと同社との出会いは、相談をサブマネージャーが受けていたことにはじまる。
 メールアドレス変換システムの事業化相談を受けるうちに、新会社設立に関する手続き等に関する支援を実施した。その後、当社技術の事業可能性の評価を行うべく、同社に当支援センター事業である事業可能性評価委員会への評価申請を勧め、専門家による評価を実施した。そこでは事業の新規性、成長性等多面的に評価し、現在の当事業における課題について、指摘を行っている。現在の主な課題としては、新技術でいまだ馴染みの薄いシステムの普及促進、販売体制の未整備、資金の不足等である。
 これら経営課題を解決し、事業化を成功させるべく、当支援センターの重点支援企業として選定した。その後、総合的、継続的な支援を継続している。

■新システムを普及させるため営業活動と資金調達を支援


 当社支援のポイントは、「とくアド」という新たなシステムを、世の中に普及させるべく、あらゆるネットワークを通じて積極的にPRすること。そして、実際の営業活動においても、その信頼性と新規性等をPRすべく、各種行政機関や企業などの「売り込み先」に関する情報収集と、営業活動への同行などを積極的に行い、着実に売上を獲得していくことにある。
 現在までのところ、山口県等が主催する新製品フェア、プレゼンテーションイベント等への出展支援や、各種情報誌へのPR記事掲載、企業、行政機関等を中心とした営業支援を行っている。また現状、売上が伸び悩んでおり、資金繰りも重要な課題となっているが、新規創業資金等への推薦等の支援を行った結果、創業資金の融資実行も獲得することができた。

■売上目標の達成に向け継続支援を計画中


 当社のビジネスモデルは非常にシンプルで、操作性に優れたシステムであるが、いまだ普及に至っていない。しかし月商、契約販売代理店数も少しずつではあるが着実に増加している。「とくアド」を活用した事業の企画提案など、引き合いも増えている。今後は、従来に引きつづき、行政機関、企業へのシステム導入に向けた情報提供等の営業支援、各種媒体、機会を通じた事業PRを行っていく。さらに、修正経営計画の策定支援や、中小企業創造的活動促進法認定等に向けての支援活動等も加え、熱意ある経営陣の取り組みを県支援センターとして引きつづき支援していく計画である





創業10年目で年商1000億円をめざして
高知県中小企業支援センター(財団法人 高知県産業振興センター)

 支援センターへ相談に行った際、中小企業支援としてこんなことをやっているのかと感じられたことがよかったと思います。その後、専門家派遣を利用することで頭の中を整理でき、不安感を払拭して業務に邁進することができました。



■創業後すぐに専門家派遣を利用、中長期計画と営業で指導を受ける


社長は、創業までの7年間、実父が営む四国キング有限会社(県内の広範囲な業種の企業の業務ソフト開発)の営業・経営に携わっていた。そして新分野であるインターネット関連・ASP技術にも取り組んできた。
社長は以前から、顧客の相談を解決するために一緒に県センターを訪ねていた。支援センターでのさまざまなサービスの活用方法について徐々に知るようになり、そのなかで専門家派遣事業等の支援策があることを知った。
 平成14年4月に従業員含め3名で創業。事業をスタートしてすぐ、事業の方向性と仕事のウエート配分などをどうすれば早く会社を軌道に乗せられるかという問題で専門家派遣事業を申し込み、紹介してもらった経営コンサルタントに5月から8月まで10回の専門家派遣を受けた。
 専門家から中長期計画の作成とランチェスターの法則について指導を受け、考えていたことを整理でき、当時主力のソフト開発部門では仕事の標準化を進めていった。それとともに、ASP事業は初期投資が大きく、資金回収まで時間がかかることから、業務ソフト開発を主力にして、将来のASP事業の布石となるレンタルサーバ、ホスティングサービスとネットワーク構築、セキュリティ対策の事業と順に進めていくことにした。このとき併せて学んだマーケティングから、「社長営業」による現在の営業手法を確立することができた。

■商社に顧客を紹介したことが事業が軌道にのる転換点に


 東京出張時にメーカー系商社の方と知り合い、調達先を探していたことから、同社の顧客を紹介した。厳しい同商社の口座開設条件をクリアするために、紹介会社のITコンサルタントとして在庫の透明化のシステムを確立し、両社のあいだに卸として入るというビジネスモデルを成立させた。その後も同商社との事業は、伸びつづけている。
 このマーケティング構築事業が、当時不安定だった資金的な課題を解決させ、創業1年目で1億円の売上を実現できた要因となった。同じころ、県の補助事業により整備されたインキュベーション施設(よさこいビジネスプラザ)に入居したこともあって、対外的な信用力を確立することができた。
 平成15年になって、事業も順調に軌道にのりだしたことから、県センターにその状況を話しておいたところ、同センターの4月の情報誌に紹介された。これが地元新聞社の記者の目にとまり、5月に地元紙夕刊に大きく取り上げられることになった。
 このことをきっかけに、いくつかの銀行から取引のオファーがくるようになった。

■相乗的な効果で売上は倍増、将来は企業グループを形成


 平成15年8月に県センターで開催された事業可能性評価委員会(ベンチャー目利き委員会)に、これまで温めていたASP事業(タイムレコーダー・システム)で応募し、A評価を受けた。このことから、ベンチャーキャピタル6〜7社からオファーをもらうようになった。
 現在、メーカー系商社との取引が拡大したことともあって、ITコンサルタント業務を含めた相乗的な作用から、今年度は当初予定していた2億円の売上が、4億円にはなると見込まれている。
 このように順調に業績を伸ばしていることから、本格的な会社とするため、福島社長は平成16年1月に株式会社化を果たした。もう少しじっくり資本政策を勉強しながら、上場に向けて、代表者である自分の意識改革をしようとしている。
 このように順調な歩みを示してきた同社だが、成功要因の1つは、社長自身が四国キング時代に身につけた100業種以上のソフト開発のノウハウとITコンサルティング能力である。2つ目は、「社長営業」という営業手法にある。同じ社長という立場で気持ちが通じ合い、課題が見えてくる。そうやって、顧客企業の信頼を得て、営業先の社長が本音を語り、悩みを打ち明けてくれる。3つ目が、Win-Winの法則に則ったビジネス展開にあり、大きな飛躍のきっかけとなった。事業拡大に不可欠な業務提携をする際には、まず取引する相手が動きやすい条件を考えるようにしてきた。4つ目が、社長の経営哲学だ。自社のマンパワーでできることとできないことを判断し、ペイできないものは絶対にしない。同社は、大手企業だからこそできる分野には手を出していない。そして非常に柔軟な考えをもちながらも、ぶれない経営者としての資質をもっていることだ。
 ただ今後の課題としては、業容が拡大したことに伴い、営業と経営の両立が厳しくなっている点がある。今後事業がさらに拡大すれば、マンパワーの体制強化が大きな課題となってくる。これに対しては、業務提携等を行い、企業グループを形成していく戦略を描いている。
 福島社長は、「創業10年で、年商1000億円」の夢を掲げ、日々奔走している。





大学発ベンチャーの創業支援
福岡県中小企業支援センター(財団法人 福岡県中小企業振興センター)




 創業当初、メンバーが専任でない大学院生ばかりだったので、支援の日程調整が難しいと考えていましたが、当方の都合を最優先で支援していただいたこと、電子メールを利用してアドバイス等を受けたこと、また、支援センターが、オフィスと同じビル内にあり、気楽に相談させていただける環境にあったことがたいへんよかったと思います。



■社名に秘められた創業者の強い願い


 人々(ピープル)の多彩な活動を多面的に支援する「メディアとしての情報システム」を社会に提供することにより、個人の豊かな市民生活及び企業・行政・教育機関といった組織の事業活動を支援したい。これが「ピープルメディア」という社名に込められた経営者の強い願いだ。
 ピープルメディアは大学発ベンチャー企業である。九州工業大学大学院情報工学研究科・硴崎研究室における最先端の研究成果を大学という限られた世界に押し止めておくのではなく、広く社会に還元することをめざして設立された。大学との連携を積極的に進め、大学と企業の連携による相乗効果を引き出し、社会に対する大学と企業の新しい貢献のあり方を提案している。
 特筆すべきなのは、ピープルメディアは高い技術力を駆使した情報システムの開発を意欲的に推進する一方で、人を中心として、人と人を結びつけ、さらには人々の温もりを感じられるような情報システムの提供をめざしている点だ。同社には「マルチメディア」「データベース」「ネットワーク」に関する多様な技術が蓄積されており、現在これらの技術を統合・応用した「地理情報システム」「e-Learningシステム」「グループウェア・業務支援システム」を重点的に取り組む三本柱と位置づけ、積極的に事業展開している。

【事業分野と商品】

  1. 情報システムの開発及び販売
  2. 情報処理サービス(ASP提供)
  3. 情報システムに関する教育・コンサル


■創業時の経営課題と支援のプロセス


 研究開発先行型の大学発ベンチャーであり、平成14年7月に個人事業として創業している。同社は大学において技術開発の中心となったメンバーによって設立されたため、創業当時、経営基本管理・会計・営業・会社法務・事業計画策定などの経験に乏しく、多くの経営課題に取り組まなければならなかった。また、今後の業容拡大に向けて、技術レベルが高く、同時に、人を中心とした情報システムを提供するピープルメディアの願いを理解し、実行することができる人材を確保、育成することも緊急の課題である。さらに、そのような人材を取りまとめ、組織としていかにあるべきかを、社員1人ひとりが積極的に考え、行動できるような方向づけを行っていくことも大きな課題である。
 ピープルメディアは福岡県中小企業振興センターのインキュベート施設(無料)を経て、現在は同センターのインキュベート施設に入居している。同社オフィスと中小企業支援センターが同じビル内にあることも手伝って、同社にとって振興センター及び支援センターの各種支援事業が身近なものになったようだ。
 創業当初から官公庁・大手企業からの問い合わせや、引き合いが多く、契約の段階で必要となる法人格を得るために、また、そもそも大学発ベンチャーとして起業するために、支援センターの門を叩くことになった。
 支援センターでは、専門家派遣事業によって専門家を同社に派遣し、個人事業として創業したピープルメディアの法人化の支援を行った。これは法人化に向けた準備段階から株式会社設立までを経営者自身で行うために必要な手続き面・法律面の助言と指導が中心であり、実際の手続きは硴崎社長自身が行い、無事、法人化を果たした。また、硴崎研究室の学会発表や福岡県中小企業振興センターが主催する「経営革新フォーラム2002」等の各種展示会・プレゼンに積極的に参加することで知名度を確実にアップさせていった。
 ピープルメディアの法人化以後は、顧客との業務委託契約締結に際する著作権・所有権・瑕疵担保責任範囲等の法的アドバイスや企業会計に関する指導などを窓口相談で行いつつ、また一方で、会社運営のための各種専門家派遣を継続し、現在もワン・ストップの支援サービスを提供している。

■自主的・積極的に支援を活用 人的ネットワークも広げる


 自主的・積極的に支援センター等の公的支援機関をタイムリーに活用することで創業時の経営資源不足を補完し、その支援のつど、自社の体力・体質を向上させている。法人化の後、増資(2000万円)やメンバー増員などを果たし、平成15年度の売上予測は、1億円を超える勢いだ。また、公的機関の支援を通して、確実に人的ネットワークを広げている点も見逃せない。