ハウスクリーニング業
● | ハウスクリーニングは、共働き世帯や高齢者世帯の増加に加え、ダニやカビなどの害が注目されてきたこと、室内調度品の掃除に専門的知識を必要とするものが増えてきたことなどが、高所得者層を中心とする需要の拡大を後押ししている。また、年末の需要が非常に高いことも特徴のひとつである。 |
● | 開業に必要な資格や許認可がなく、比較的低資本で始められるため参入は多いが、業界の認知度の低さ、需要の季節変動などから経営が不安定になりがちな面もある。そのため専業は少なく、ビルメンテナンスや家事支援サービスの兼業企業や、零細事業者が多い。 |
● | サービス・価格の差別化を図ることはもちろん、家の中に入る業務でありながら事業所が許可制でないこともあり、信頼性の確保が安定 した基盤を築くうえで重要である。 |
1. 起業にあたって必要な手続き
● | ハウスクリーニングを事業として行なうにあたって必要な資格や許可はなく、基本的に、自由に開業することが可能である。ただし、法人を顧客とするような場合、人材派遣とみなされないよう、請負や業務委託としての契約を明確にしておく必要がある。 |
2. 起業にあたっての留意点・準備
1)事業の設計
ハウスクリーニング業といっても具体的には多種多様であり、大別しても家事代行型と専門技術型の2つがある。どのようなサービスを提供するのか、経営資源や周辺の見込み顧客、競合事業者などの状況を十分に検討し、事業を具体的に設計・計画する必要がある。 |
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両者を手掛ける場合、家事代行型にはパート・アルバイト、専門技術型には正社員といった分担をしている例もある。 |
<ハウスクリーニング作業の一般的な流れ> | ||
� | 費用見積もり | |
� | 作業手配 | |
� | 汚れの除去 | |
� | 保護仕上げ(消毒殺菌、汚れ再付着防止加工、表面保護膜加工、カビ防止加工など) | |
� | アフターケア(定期清掃や日常メンテナンスのアドバイスなど) | |
※ | 料金には時間制と場所制(「3LDK」「キッチン・トイレ」などの場所で料金を提示)がある。家事代行型では時間制、専門技術型では場所制が多くみられる。料金表示は一般的な料金であり、清掃場所の広さ、汚れの程度、建築構造、素材などにより事前見積もりを行なうのが一般的である。 |
2)営業上の留意点
参入障壁が低いために競合も多い。競合他社との差別化をいかに図るか、季節変動などをいかに抑えて経営を安定化させるか、パート・アルバイトなどの労働力をいかに確保するか、などが重要になる。 |
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PR活動のおもな手段はポスティング、折り込みチラシなどである。個人や小規模業者は信頼の点で劣るため、日頃から誠実な仕事を重ね、固定客を確保し、口コミに頼って輪を広げることが重要になる。 |
3)FC加盟の検討
技術取得やサービスの開発には多大な時間と労力を要する。時間をかけずに清掃技術や開業ノウハウを取得するには、フランチャイズ・ チェーン(FC)への加盟も選択肢となる。 FC加盟のメリットは、本部の経営ノウハウ、教育・研修システム、ブランドイメージが活用でき、未経験者でも比較的容易に参入できる点にある。一方、加盟金やロイヤルティーが必要になるほか、加盟をしても売上が保証されるものではない。本部の経営状態、 加盟金やロイヤルティーの水準、フォロー体制などを見極め、慎重に検討する必要がある。 |
3. 必要資金例
店舗面積5坪、自宅を利用して開業する場合の資金例
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4. ビジネスプラン策定例
1) | 売上計画例 | |
家事代行型のサービスで、開業後1年間でリピート顧客25件の獲得を目標とする(社員1名のほか、アルバイトで運営)。 |
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2)損益計算のシミュレーション
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※ | 必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。 |