税理士

税理士は税務に関する専門家として、税金を納める必要のある個人や法人の税務や書類作成、税務に関する相談などを行う専門職で、そのニーズは常に存在する。税理士として起業する場合、個人事業やSOHOとして行う場合も多くなってきている。


税理士は、すでに契約されている場合が殆どで、新たに顧客を新規開拓するのは難しい。新規開拓のためにも異業種交流会や、創業セミナーなどで新たに起業する人とのネットワークを構築していく必要がある。


税に関する法律や判例は常に変化するものなので、新しい知識や情報を日々収集する必要がある。


1. 起業にあたって必要な手続き

税理士試験に合格するか弁護士、公認会計士の資格取得者で、日本税理士連合会の税理士名簿に登録することが必要。また、税務に関する実務経験2年以上のものがその資格を得ることが出来る

 

2. 起業にあたっての留意点・準備
 

1)営業形態
 営業形態は個人や企業と顧問契約を行い、1ヶ月おきに帳簿の整理やアドバイスを行うことが中心となる。また年に1回の決算書類の作成、確定申告書の作成も行う。
 基本的に大々的に広告宣伝ができない業種になるため、新規顧客開拓は難しい。

2)経営上の留意点
 税理士は既存の企業などでは既に契約されており、そこに入り込むのは難しい。新規起業した会社や、新しい商店などがターゲットになる。これまでに身につけた人脈を生かして、常に仕事を確保できる状態にしておく必要がある。
 国家資格者として仕事を行っていく以上、透明性の高い仕事をする必要がある。脱税・極端な節税などを要求されないよう注意する必要がある。


3. 必要資金例

 税理士は、自己所有のコンピューターと会計ソフト一式があり、資格を有していれば自宅を事業所として起業できるが、信用という面から小規模な事務所を 開設した方がよい場合も多い。近年ではSOHOオフィスやインキュベーションオフィスなどの小規模オフィスも増えてきている。
ここでは、小規模オフィスなどを利用して一人で行うときの資金例を示す。

 
(単位:千円)
項目 初期投資額
物件取得費 保証金  1,000
仲介料 100
小計 1,100
設備備品費

内装設備費

50
コンピューターソフト一式 200
備品その他 50
小計 300
開業費 市場調査研究費 50
印刷DMなど販促費 100
手元資金 100
小計 250
総計 1,650


4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)

損益計算のシミュレーション

 
(単位:千円)
  年間増加率 変動費率 初年度 2年度 3年度 4年度 5年度
売上高 25.0%   3,000 3,750 4,688 5,859 7,324
諸経費計     400 435 470 505 540
家賃     100 100 110 110 120
  事務用品費     80 20 20 20 20
  販売促進費     50 80 80 80

80

  通信費     150 160 170 180 190
  消耗品費     100 120 140 160 180
  その他経費     70 75 80 85 90
営業利益     2,600 3,315 4,218 5,354 6,784

※ 必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状 況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあら かじめご了承ください。