コインランドリー
● | コインランドリーの経営は、確実な現金収入が得られる、人件費が不要で接客や集金などの煩わしさもない、などのメリットから、遊休地や空き店舗を利用して事業を始めるケースが多い。 |
● | 小規模店が過半を占めているが、駐車場完備、大型・ドライクリーニング設備の導入などで差別化を図る大型施設も増えており、利用者の多様なニーズへの対応、清潔で入りやすい空間づくりなどが求められている。 |
● | また、既存の店舗や施設との併設により集客力や収益力の向上が望める。おもな併設事例としては、クリーニング取次店やコイン洗車場、コンビニエンスストア、喫茶店、書店・古本店、マンガ喫茶、レンタルビデオ店、DPE取次店などがある。 |
1. 起業にあたって必要な手続き
● | コインランドリーの営業については、厚生労働省の通達「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生指導要綱」に基づき、行政区単位で必要に応じて条例または要綱などが制定されており、指導・規制を受ける(詳細についての問い合わせ先は地域の保健所)。 |
● | なお、コインランドリー向けの機器を取り扱う企業の多くは、販売・アフターフォローだけでなく、開業時のサポートも行なっている。 |
2. 起業にあたっての留意点・準備
1)立地条件
コインランドリーの営業を左右する重要な要素は立地であり、1階部分であることに加え、アパート・寮などの密集地帯、商店街、駅やバス停の近くなどが適性立地といえる。 |
周辺の人口、利用者が集まりやすい場所かどうかがポイントになる。大型コインランドリーの場合、利用者が主婦層であることも考慮が必要である。また、公衆浴場などと隣接して設置する場合、学生、独身サラリーマンなどがおもな利用者になるため、夏期や冬期に利用者が減少することなどにも留意する必要がある。 |
2)営業上の留意点
・ | 清潔なイメージ | |
店舗の清潔さが重要である。照明を明るくする、窓を大きくとる、壁紙やタイルの色を明るくする、換気をよくする、頻繁に店内を清掃する、定期的に機器を洗浄してその結果を店内に表示する、などが必要である。 |
・ | 機会損失の防止 | |
利用者が安心して使えるように、機械の利用方法や故障の際の連絡先などを掲示する心配りが必要である。また、機械の故障、洗剤販売機の品切れ、両替機のコイン切れなどに注意する。新聞・雑誌、イスとテーブルなどを置くほか、飲料などの自動販売機を設置するのもよい。 治安・風紀をよくするため、外から店内が見渡せるようにするほか、無人カメラなどの設備の導入も検討するとよい。大型施設を中心に、常駐の衛生管理者の配置が増えているが、付近の住民と見回りの契約を結んでいるコインランドリーなどもある。 |
・ | その他 | |
緊急連絡先を店内に掲示するほか、「衣類の盗難や取り違えには責任を負えない」旨、明示しておく必要もある。 |
3)FC加盟の検討
大型コインランドリーではフランチャイズ・チェーン(FC)も多い。FC加盟も選択肢となる。 FC加盟のメリットは、本部の経営ノウハウ、教育・研修システム、ブランドイメージが活用でき、未経験者でも比較的容易に参入できる点にある。一方、加盟金やロイヤルティーが必要になるほか、加盟をしても売上が保証されるものではない。本部の経営状態、加盟金やロイヤルティーの水準、フォロー体制などを見極め、慎重に検討する必要がある。 |
3. 必要資金例
● | 必要設備は、店舗スペースや利用見込数、開業資金などによって異なるが、コインランドリー用洗濯機・乾燥機、イス・テーブル、自動両替機などである。 |
遊休地を活用し、店舗面積20坪のコインランドリーを建設する際の必要資金例
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● | 集客力・収益力を高めるには、容量の大きい中型、大型の機器を導入することも必要である。大型機器を導入することは、大物洗いができるというPRポイントになるほか、単価アップも見込める。ドライクリーナー、スニーカー専用洗濯乾燥機を併設しているコインランドリーもある。 |
● | また、機器の導入にあたっては、とくに大型機器を多く設置する場合、初期投資が大きいため、リースの利用も一般的である。 |
4. ビジネスプラン策定例
● | 売上計画例 |
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※ | 年商 = 29,600円 × 360日 = 10,656,000円。 |
2)損益計算のシミュレーション
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※ | 必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。 |