ネイルショップ



ネイルへの関心が高まり、若年層から年配層まで幅広いマーケットになり、ファッションの一部として受け止められている。その結果、百貨店やファッションビル、繁華街など女性が多く集まる場所にネイルサロンが増えてきている。
公的な資格や行政の認可を受ける必要がないため、簡易にサロンをオープンできるが、顧客が付かず、すぐに閉店するケースもあり店舗の入れ替わりが激しい。美容室がネイルサービスを取り入れるなど、複合タイプも含めサロンの数は増えている。ネイルサロンは都心部に集中していて、地方での普及率はまだ低い。


1.起業にあたって必要な手続き

 
ネイルサロンを開設・営業するにあたって、公的な資格や行政の認可を受ける必要はない。関連業界団体としては「日本ネイリスト協会」があるが、当該協会への加盟も必須ではない。
一般の開業手続きとして、税務署への開業届、また、 雇用形態により社会保険事務所や労働基準監督署への諸手続きを行なう。詳細については、最寄りの管轄に問い合わせるとよい。


2.起業にあたっての留意点・準備

  ●経営形態には3つのタイプがある。
独立型:営業ノウハウや資金などの開業準備に努力を要し、個人のネイリストとしての技術や才能が問われるが、努力が実れば高収益が期待できる。
のれん分け型:大手ネイルサロンに勤めたうえで、のれん分けとして店を出す。顧客の誘導ができ、ある程度想定できる。
フランチャイズ型:ショップのブランドイメージが強いが、安定して顧客が見込める。

●立地別の経営形態
都心型:都心の繁華街や百貨店、テナントビル等に出店するタイプ。高級路線であり、サービスに高い基準が求められる。
郊外型:郊外の商店街や駅前に出店するタイプ。比較的中級路線である。

●店舗別の経営形態
独立店型: 都心の繁華街や百貨店、テナントビル等に出店するタイプ。高級路線であり、サービスに高い基準が求められる。
テナント型: ファッションビルやテナントビル、百貨店等にテナントとして出店するタイプ。当該ビルに来た客を獲得することが鍵となり、エレベーター付近など、人目に付くスペースが多い。そのため混雑も予想され、お客さん1人あたりのケアも早さを求められている。
併設型: ネイルサロン単独ではなく、美容院やカフェ、マッサージの付加的なメニューとしてネイル関連サービスを提供する形態。
出張型: 店舗を構えず、展示会、イベント等に出張してブースを構える、または個人宅へ訪問して、ネイル関連サービスを提供する形態。

●顧客獲得
顧客獲得は、口コミによるものが圧倒的に強い。ネイル関係の各種コンテストで受賞したり、ネイル雑誌での紹介で、ネイリストの技術を披露することが宣伝・PRになる。


3.必要資金例

  繁華街に、15坪、3席の店を開業する場合の必要資金例
(単位:千円)
家賃   1,760
3カ月分 510
保証金 850
手数料 400
設備費   6,020
内装工事 3,000
空調設備 2,000
施術用机・椅子 120
事務用机・椅子 50
施術用備品 300
事務用品 50
電話・FAX、PC、等設備 500
商品   300
仕入費用 300
人件費   500
アルバイト(ネイリスト)3カ月分 500
宣伝広告費   550
HP開設 100
宣伝広告(雑誌) 400
名刺、チラシ印刷費 50
その他 300
必要資金計 9,430


4.ビジネスプラン策定例

  ●初年度売上計画例(客席数3席)
(単位:円)
  客数/日 (人) 客単価
日商 営業日数 (日) 年商
平 日 10 5,000 50,000 205 10,250,000
土曜日 20 5,000 100,000 52 5,200,000
日曜日 18 5,000 90,000 52 4,680,000
合 計       309 20,130,000

●モデル収支
(単位:千円)
  年間増加率 変動費比率 初年度 2年度 3年度 4年度 5年度
売上高 4.0%   20,130 20,935 21,773 22,644 23,549
売上原価   8.0% 1,610 1,675 1,742 1,811 1,884
売上総利益     18,520 19,260 20,031 20,832 21,665
諸経費計     16.930 17,485 18,063 18,664 19,289
  人件費     8.052 8,374 8,709 9,057 9,420
  地代家賃     2.040 2,040 2,040 2,040 2,040
  水道光熱費   3.0% 604 628 653 679 706
  販売促進費   10.0% 2,013 2,094 2,177 2,264 2,355
  通信費   1.0% 201 209 218 226 235
  消耗品費   10.0% 2,013 2,094 2,177 2,264 2,355
  減価償却費     1,000 1,000 1,000 1,000 1,000
  その他経費     1,007 1,047 1,089 1,132 1,177
営業利益     1,590 1,775 1,968 2,168 2,376

●初期投資回収 5年度

売上計画やシミュレーション数値などにつきましては、出店状況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。