認知症対応型共同生活介護
● | 認知症対応型共同生活介護事業はその事業者数及び、1事業所あたり利用者数とも年々大きく増加している。 |
● | 開業に際しては、こうした動向を踏まえた事業計画を同時に考えていく必要がある。 |
1.指定居宅サービス事業者の要件
介護保険の居宅サービスを提供しようとする場合、事業者は都道府県知事の指定を受ける必要がある。 |
2.認知症対応型共同生活介護事業者の基準
1)人員に関する基準
● | 従業者の員数 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者が事業所ごとに置くべき認知症対応型共同生活介護の提供に当たる従業者は、当該事業所を構成する共同生活住居ごとに、宿直時間帯以外の時間帯に認知症対応型共同生活介護の提供に当たる介護従業者を、常勤換算方法(*)で、当該共同生活住居の利用者の数が3人またはその端数を増すごとに1人以上とするほか、宿直時間帯を通じて1人以上の介護従業者に宿直勤務を行わせるために必要な数以上とする。 | |
・ | 介護従業者のうち1人以上の者は、常勤でなければならない。 | |
・ | 宿直時間帯において宿直勤務を行う介護従業者は、利用者の処遇に支障がない場合は、併設されている他の共同生活住居または介護老人福祉施設、介護老人保健施設もしくは病院等の職務に従事することができるものとする。 |
● | 管理者 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者は、共同生活住居ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない。ただし、管理上支障がない場合は、当該共同生活住居の他の職務に従事し、または同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする。 | |
・ | 管理者は認知症介護に関する専門的な知識及び経験を有する者であること。 |
● | 計画作成担当者 | |
・ | 介護支援専門員または適切な者を配置すること。 |
(*)常勤換算方法 | ||
当該事業所の従業者の勤務延時間数を、常勤従業者が勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間を基本とする)で除して、常勤従業者の員数に換算する方法 |
2)設備に関する基準
● | 設備に関する基準 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業所は、1または2の共同生活住居を有しなければならない。 | |
・ | 共同生活住居は、その入居定員を5人以上9人以下とし居室、居間、食堂、台所、浴室その他利用者が日常生活を営む上で必要な設備を設けるものとする。 | |
・ | 居室の定員は1人とする。ただし、利用者の処遇上必要と認められる場合は、2人とすることができるものとする。 | |
・ | 居間及び食堂は、同一の場所とすることができる。 | |
・ | 1居室の床面積は7.43平方メートルとする。 |
3)運営に関する基準
● | 介護等 | |
・ | 介護は、利用者の心身の状況に応じ、利用者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、適切な技術をもって行わなければならない。 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者はその利用者に対して、利用者の負担により当該共同生活住居において介護従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。 | |
・ | 利用者の食事その他の家事等は、原則として利用者と介護従業者が共同で行うよう努めるものとする。 |
● | 社会生活上の便宜の提供等 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者の趣味または嗜好に応じた活動の支援に努めなければならない。 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者が日常生活を営む上で必要な行政機関に対する手続等について、その者またはその家族が行うことが困難である場合は、その者の同意を得て、代わって行わなければならない。 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者は、つねに利用者の家族との連携を図るとともに利用者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。 |
● | 運営規程 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者は事業所ごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する運営規程を定めておかなければならない。 | |
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● | 勤務体制の確保等 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者に対し、適切な指定認知症対応型共同生活介護を提供できるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。 | |
・ | 前項の介護従業者の勤務の体制を定めるに当たっては、利用者が安心して日常生活を送ることができるよう、継続性を重視したサービスの提供に配慮しなければならない。 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者は、介護従業者の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない。 |
● | 協力医療機関等 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、協力医療機関を定めておかなければならない。 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者は、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。 | |
・ | 認知症対応型共同生活介護事業者は、サービスの提供体制の確保、夜間における緊急時の対応等のため、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、病院等との間の連携及び支援の体制を整えなければならない。 |
3.申請時に必要な書類
● | 指定申請書 |
● | 付表10(認知症対応型共同生活介護事業者の指定に係る記載事項) | |
・ | 指定の審査を迅速かつ効率的に行うための書類で、サービスの種類ごとに用紙が異なる |
● | 添付書類 | |
・ | 申請者の定款、寄付行為等及びその登記謄本または条例等 | |
・ | 従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表(*1) | |
・ | 事業所の管理者の経歴書 | |
・ | 事業所の計画作成担当者の経歴書 | |
・ | 事業所の平面図 | |
・ | 設備・備品等一覧表 | |
・ | 運営規程 | |
・ | 利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要 | |
・ | 当該事業に係る資産の状況(*2) | |
・ | 協力医療機関との契約内容(*3) | |
・ | 介護老人福祉施設、介護老人保健施設、病院等との連携体制及び支援の体制の概要(*4) | |
・ | 市町の意見書 | |
・ | 管理者、スタッフ、計画作成担当者の受講研修記録 |
(*1)従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表 | ||
・ | 管理者及び従業者全員の毎日の勤務すべき時間数(4週間分) | |
・ | 職種の分類は、管理者、介護従業者、その他 |
(*2)当該事業に係る資産の状況 | ||
・ | 資産の目録 | |
・ | 当該年度の事業計画書及び収支予算書 | |
・ | 損害賠償が発生した時に対応が可能であることがわかる書類(損害保険証書の写し等) |
(*3)協力医療機関との契約内容 | ||
・ | 利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合に連絡を行う協力医療機関と、あらかじめ取り交わした契約書の写し |
(*4)介護老人福祉施設、介護老人保健施設、病院等との連携体制及び支援の体制の概要 | ||
・ | 共同生活住居からの退去者に対するサービス提供確保のための連携・支援体制 | |
・ | 夜間における緊急時の対応等のための連携・支援体制 | |
・ | その他参考事項 | |
事業者指定に関する手続きは、各都道府県の介護保険担当部署に確認しながら、慎重に進めよう。 |