書店
● | 若年層を中心にした「活字離れ」傾向、コンビニエンスストアなど書店以外の小売店における雑誌やコミックの販売、古本チェーン店の急増、インターネットを通じての書籍の販売などにより、書店数は減少を続けている。 |
● | ただし、1店舗あたりの売り場面積は拡大傾向にあり、中小書店が淘汰されている一方で、書店の大型化が進んでいることがわかる。 |
● | 消費者のライフスタイルの変化や雑誌販売チャネルの多様化により、「雑誌は買い物のついでにショッピングセンターや郊外型書店で」「きちんと本を選びたいときには書店で」といったように、書籍・雑誌の種類や目的によって購入する店舗を使い分ける人が増えつつある。今後は、多様化している地域の消費者ニーズを捉えて品揃えやサービスを考え、店舗運営を行なうことが必要となってくる。 |
1. 起業にあたって必要な手続き
● | 古本を取り扱う場合は、古物営業法に基づき都道府県公安委員会の営業許可が必要となるが、新刊書店を出店するにあたっては、とくに必要な資格や許可はなく、基本的に、自由に開業することが可能である。一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。 |
2. 起業にあたっての留意点・準備
1)立地条件
書店は立地産業であり、立地ごとの顧客のニーズに応えられる品揃えが必要である。
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2)専門店化・複合店化
中小書店の方向性として、独自の品揃えによって大型店や他の販売チャネルとの差別化を図り、書店としてのオリジナリティーを打ち出すことが考えられる。 a)専門店化
b)複合店化(取扱商品の複合化)
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3. 必要資金例
自己所有物件の有無や立地、規模などによって必要資金は大きく異なるが、ここでは、商店街に立地する自己所有物件を使って店舗面積50坪の書店を出店する際の必要資金例を紹介する。 |
項 目 | 内 訳 | 金 額 | 単 価 |
店舗建築工事費 | 本体、電気設備、給排水など | 1,750万円 | 35万円/坪 |
什器、備品費 | 書棚、カウンターなど | 1,000万円 | 20万円/坪 |
内装設備費 | 床、壁、天井、照明、外装など | 750万円 | 15万円/坪 |
商品手当費 | 書籍、雑誌など | 1,800万円 | 36万円/坪 |
広告宣伝費 | チラシ、広告 | 80万円 | - |
その他雑費 | 開店披露、文具など | 70万円 | - |
合 計 | 5,450万円 | - |
なお、立地や規模、取扱商品などによって、売上や経費は大きく異なる。各自の条件に応じた収支計画を検討してみることが必要である。 ※必要資金の数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。 |
4. 相談先
店の方向性を決定し、具体的な立地や店舗面積が決定したら、まず取次会社に相談するとよい。ここでは、おもな取次会社をご紹介する。 |
・ | (株)トーハン 所在地:東京都新宿区東五軒町6−24 電 話:03−3269−6111 |
・ | 日本出版販売(株) 所在地:東京都千代田区神田駿河台4−3 電 話:03−3233−1111 |
・ | 栗田出版販売(株) 所在地:東京都板橋区東坂下1−3−1 電 話:03−5392−2111 |
・ | (株)大阪屋 所在地:大阪府大阪市西区新町2−5−5 電 話:06−6543−5455 |