CGクリエーター


実写では撮れないものをコンピューターで作成する仕事。TVCMや映画、アニメなどはCGが増えてきている。これらを作る仕事は今後ますます需要が高まりそうである。


日本国内のプロダクションの数はキャパに追いついていない。そこで海外で作成して日本で集めて作るという方向にも向かっている。今後はデジタル放送が始まり、チャンネルが増えるとさらに需要が増えるものとなる。


職業として認知されていない部分があり、コストがかかる割に収益は低い。中間マージンが多い業界であり制作者に落ちる金額は小さくなりがちである。ただクオリティーを評価され、有名作家になると大きな収益を上げることも出来るようになる。


1. 起業にあたって必要な手続き

手続きや、資格などは必要ないが高い制作能力が求められている。

 

2. 起業にあたっての留意点・準備

  1)営業形態
個人で事業を行う場合、制作会社とのコネクションが重要になる。制作会社の下請けとして仕事をする場合が多い。直接大手企画会社やテレビ局などと取引することは難しい。実績を積んで、評価されると直接取引が可能になる。そこまでいくとCG制作プロダクションを作ることも可能になる。

2)経営上の留意点
CGを作るだけではコンテンツにならない。企画、脚本なども重要となるため総合的なプロデュース能力が求められている。企画者や脚本家などと連携して作成することが必要になる。そのためのディレクション力は最低限必要。

はじめはCG作成のみで事業を行うことは出来る。その場合もCGの作成能力が問われる。表現力も重要だが、コンピュータを使った作成技術の追求も常におこなっていかなければならない。作成技術の追求には膨大な時間を必要とする。そのため人材確保は難しい。

個人で事業を行う場合は、ディレクション力が求められている。制作プロダクションを設立する場合はプロデューサーやディレクターが必要であり、さらにCGの作成を行うクリエーターが複数必要になる。人材確保が難しいため、専門学校などとの連携を行ったり、WEBサイトなどで発表している優れた作品を常にチェックするなど、常に人材確保がしやすいようにする必要がある。


  3)著作権に対する留意点

  作成者が基本的に著作権を持つが、契約により使用権は売り先に移り、厳密に管理されている。著作権自体よりも契約の内容が重要になる。複製・引用などは基本的に出来ないが、アジア諸国などでの複製・引用が問題になっている。そのため、著作権や契約については法律を熟知する必要がある。


3. 必要資金例


  ここでは自宅を事務所として個人で行う場合の例を示す。

 
(単位:千円)
項目 初期投資額
初期費用 (レンダリング環境を作る)  ハードウェア(PC) 200
(その他)   1,000
ソフトウェア  1,300
設備備品費         
2,500
 

内装設備費(LAN工事など)

100
コンピューターソフト一式 400
備品その他 100
小計 600
開業費 市場調査研究費(書籍代) 50
手元資金 100
小計 150
総計 3,250
※物件取得費は含まない


4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)

損益計算のシミュレーション

 
  年間増加率 変動費率 初年度 2年度 3年度 4年度 5年度
売上高 30.0%   2,000 2,600 3,300 4,394 5,712
諸経費計     170 172 173 175 176
  事務用品費     20 20 20 20 20
  販売促進費     50 50 50 50

50

  通信費   2.00% 50 51 52 53 54
  消耗品費     0 0 0 0 0
  その他経費   1.00% 50 51 51 52 52
営業利益     1,830 2,429 3,207 4,219 5,536

※ 売上計画やシミュレーション数値などにつきましては、出店状況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。