システム開発業
● | ここでシステム開発業とは、経済産業省による情報サービス業の区分における「受注ソフトウェア」に該当し、おもに業務用のシステム開発を行なう事業をいう。システム開発の仕事は、開発した製品をどのようなシステム環境で作動させるかによって異なり、大きく汎用系とオープン系に分かれる。 |
● | 汎用系は、大型の汎用コンピュータによる特定の業務用システムを開発するもので、プログラム言語はCOBOL、PL/1を使うことが多い。オープン系はUNIXやWindowsベースのワークステーションやパソコンで業務用システムを開発するもので、プログラム言語はC、C++、Java、Visual Basicなどが使われる。かつては汎用系のシステム開発が中心であったが、ハード技術の進歩とダウンサイジングが進み、今日ではオープン系のシステム開発が主流になっている。 |
● | システム開発には受託開発とパッケージ開発がある。ユーザー企業からの依頼により個々のシステムを開発する受託開発に対し、パッケージ開発は、不特定多数の顧客に共通する業務用システムを開発するもので、不特定多数に販売する。多機能で大型のパッケージになると開発投資も膨大になるが、分散処理とコンピュータの小型化などに対応してパッケージ開発が増えてきており、パッケージによる共通化を受け入れるようになってきている。 |
1. 起業にあたって必要な手続き
システム開発事業を起業するにあたっては、特別の許可申請などは必要とされない。 |
2. 起業にあたっての留意点・準備
・アプリケーションの動向
業務用システムの開発では、最近のアプリケーションの動向に注意を払っておくべきである。とくにCRM(顧客関係管理)、SCM(サプライチェーン・マネジメント)といった経営の改革と革新に係わるテーマは、新たなシステム開発が要請される場であり、そこに自社の得意技術を投入していくべきである。 |
・統合サービス化と二極分化
企業はコンサルティングから業務改革、情報システム構築、そして運用・サポートまでを一括して受託する統合サービス化を求めるようになってきている。一方、システム開発業界は、コンサルティング・設計などの上流工程を担う大手企業と、プログラム作成などの下流工程を担う中小の企業に二極分化してきている。たとえ中小であっても、コンサルティング能力を高め上流工程を担うこと、また下流工程であっても差別化できる技術を保有することによって、しっかりとした地位を確保する努力が求められる。 |
・業界売上高の動向
経済産業省の「特定サービス業実態調査」によると、アジア経済危機以降も10%前後の増加を続けてきた情報サービス業の売上高は、2002年に前年比3.5%増と伸び悩み、2003年は0.9%の減少となった。なかでも、システム開発業が属する「受注ソフトウェア」は同2.8%減と減少幅が大きくなっている。起業に際しては、こうした業界動向を充分把握しておくことが必要である。 |
3. 必要資金例
都内に4人で株式会社を設立する際の資金例。オフィスは16坪、賃借料は坪あたり月1万円の物件とする。 |
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4. ビジネスプラン策定例
1)売上計画例
(単位:千円) |
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2)損益計算のシミュレーション
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※ | 必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。 |