元気な会社4



自社ブランドで開発製品販売

1997年6月に設立した小型風力発電機のメーカー。米国サウスウエスト・ウインドパワーから風力発電機の相手先ブランド(OEM)供給を受けて同事業に参入。現在は自社開発製品を自社ブランドで販売している。
 同社は、風力発電機と太陽電池パネルを組み合わせたハイブリッド型発電システムに強みを持つ。主力製品はサイレント風力発電機「Z−501」で、太陽電池パネルと組み合わせてベランダなどに設置する「アウル」と、大型ポールに太陽電池パネルを組み合わせて、街路灯や多目的発電塔として利用する「エアバード」の2種類がある。これまでに販売した風力発電機は約4000機で、住宅やマンションをはじめ、ビル、工場、学校などで幅広く利用されている。
 期待の新製品は、2005年末に発売する風力発電機「エアドルフィン」だ。販売が軌道に乗れば、2010年に小型風力発電機市場の世界シェア15%を狙い、株式上場を計画している。
量産工場の建設へ
 新製品の開発技術を支えているのは、同社が主宰した研究開発プロジェクト「プロジェクトZ」だ。東レ、NTNや東京大学大学院、産業技術総合研究所などの産学官連携チームで、世界最高性能の小型風力発電機の量産化を目標にした。
 その成果として新製品は、最大出力1・5キロワット(風速毎秒12・5メートル)、本体重量15キログラムで、発電量当たりの本体重量が世界で最も軽い。本体価格は30万円に抑え、一般消費者市場でも手の届く価格を実現した。
 さらに、静音性と発電効率の良さも兼ね備えている。風力発電機は、風の力で羽根を回し、その回転力をモーターに伝えることで駆動・発電する。新製品は直径180センチメートルの主翼に、空中で一番静かに飛ぶ鳥といわれるフクロウの羽根を模したデザインを採用している。通常の羽根に比べて、騒音レベルが50分の1以下で、ほぼ無音に近い状態にした。
 また、発電効率の面では、羽根を回すために発電機をモーターにするパワーアシスト機構を採用した。毎分6秒間だけモーターで繰り返し羽根を回転させる仕組みで、無風状態でも電力が得られる。モーターの消費電力が1時間に10ワット必要になるが、「羽根を回転させることで得られるエネルギーの方が高い」と伊藤瞭介社長は話す。
 同社は新製品販売を機に量産工場を建設する方針で、準備を進めている。2005年3月末時点で資本金を9990万円から2億6199万円に増資した。伊藤社長は「今まで手弁当で事業をしてきた。これからは本格的な製造業になる」と意欲を燃やしている。



斬新なデザインが若者に人気

 「あくまでも街を元気にすること」−。杉本悟ドリームアンドモア社長はそう強調する。「業種を聞かれると、“街を元気にする業”“町おこし業”と答える」と笑う。同社は、ポストカードやコースターなどを広告媒体にした広告制作業や、デザイナーやイラストレーターら若手アーティストの発掘・育成事業を通じ、神戸の活性化を目指している。
 同社の主力事業は、ポストカードを使った広告制作。カフェや雑貨店など若者が集まる京阪神の店舗に専用棚を設置し、広告が入ったポストカードを無料配布するスタイルだ。若手デザイナーやイラストレーターの起用による斬新なデザインとアート性の高さが反響を呼び、広告主だけでなく、専用棚を設置する店舗の集客にも貢献している。
 広告主はアパレルや自動車販売店、飲料メーカーなど幅広い。専用棚は京阪神の店舗約160カ所に設置。このポストカード広告は関東や九州の提携企業数社と「BOOM」ブランドとして全国統一展開しており、全国の専用棚設置店舗は約750カ所に及ぶ。
 現在はポストカードだけでなく、はがきサイズに折り畳んだタウンマップ広告「ナビゲーター」シリーズをはじめ、コースターやポスターなど媒体の幅を広げている。
若手アーティストの活躍の場を提供
 経営のもうひとつの柱として、デザイナーやイラストレーター、写真家ら若手アーティストのマネジメント事業「スターファクトリー」に取り組む。若手アーティストの才能を発掘・育成し、企業とのマッチングを行うのが狙い。現在350組を超えるアーティストが登録。登録アーティストにポストカードをはじめとする広告媒体のデザインを任せ、若い才能を育成する仕組みだ。ポストカード広告から火がついた人気イラストレーターもいるという。
 事務所内には、登録アーティストが作品を紹介できるスペースを設けている。毎月1人のアーティストを取り上げ、作品発表の機会を提供する。
 若手アーティストや企業などとのネットワークを買われ、ファッションショーなどの企画運営も手がける。若手クリエーターとセレクトショップとのマッチングを行う神戸市など主催の「ドラフト!」をはじめ、2005年4月に神戸税関(神戸市中央区)で行われたファッションショー「旧居留地コレクション」など実績は多い。2006年2月に開催予定の「大阪ライフスタイルコレクション」の企画運営も同社が行う予定だ。
 現在、社員数15人で2004年度年商は約3億円。2003年には東京オフィス(東京都渋谷区)を開設した。5カ年の中期経営計画では「2008年度までに年商10億円」(杉本社長)を掲げる。「将来は神戸の街全体をプロデュースしたい」。街の活性化に向けた杉本社長の挑戦は始まったばかりだ。



東大に寄付講座開設

1978年創業の研究実験用設備機器メーカー。製薬や化学薬品、バイオを研究する大学や公設試験場、民間企業向けに開発・製造・販売している。
 「最先端の研究開発(R&D)は最先端の設備で行われる」(林進社長)と、2005年には東京大学医科学研究所に寄付講座を開設。最前線で働く研究者の声を商品開発に取り入れる。
 また、1997年に品質保証・管理の国際規格「ISO9001」、2000年に環境管理・監査の国際規格「ISO14001」の認証をそれぞれ取得するなど世界標準のモノづくりを進める。
 研究施設全体の効率化にも積極的に取り組む。独自に開発したLANシステム「CORES」は複数の研究施設や実験設備をデジタル回線でつないで一括管理するほか、各設備の運転制御、データ収集・記録、安全管理をリアルタイムで行う。また「STORAGE」は研究・実験施設全体の薬品の出入りや在庫を一括管理する。
デザイン性・居住性を追求
 国際標準のレベルを保つために、海外の研究施設の情報をくまなく収集している。その結果、欧米で広まりつつあった「ラボラトリー・デザイン」を取り入れた。機能性だけでなく、デザイン性や居住性を考慮した研究室で、研究者の能力を最大限に引き出すという考え方だ。「日本人は研究室には研究機能さえ整っていればいいと思っている。欧米に比べて研究室の環境整備が遅れている」(同)と語る。
 わが国で初めて、研究施設を専門に設計する子会社「プラナス」を設立。共同で次世代型のR&D環境を開発する。白一色で無機質な感じのする従来型の研究室ではなく、暖色系を組み合わせた配色にしたり、木製の戸棚を用いるなどしたりして研究者にとって心地よい空間設計を提案する。「研究室では長い時間をかけて研究が行われる。居住空間として良いアイデアが浮かぶような環境を整えなければいけない」(同)と語る。
 2004年9月期の売上高は51億1000万円。8期連続の増収増益を果たした。「従来型の産業はおおむね海外に進出した。これからは国内で新産業を創出していかなければならない。そのために必要な研究設備機器・施設の需要は今後も伸びる」(同)とみている。
 今後は医療関連の施設開発に力を入れていく。現在は末期がん患者の治療のための施設を開発中だ。そこでは患者自身の免疫細胞を培養、増殖、活性化して、患者に戻す「養子免疫療法」という最先端の研究を行う。「医者や研究者らを自社スタッフとしてそろえ、新しい治療施設など付加価値の高いものを提案していく」(同)と意欲を燃やす。



2005年3月から情報配信システムサービスを開始

「世の中に出ていないビジネス支援ツールを提供する」をモットーに、積算ソフトなどのソフトウエアや、木質系廃棄物の炭化装置などの環境関連装置を開発してきた。農林業の厳しい状況を受けて炭化装置などの先行きが見込めないなかで再度、情報ツールに着目。電子掲示板(BBS)のブログと電子メールを組み合わせた情報配信システムサービスの提供を2005年3月に始めた。
 情報配信システムは、ブログにメール送信で集まった情報を、事前に登録したメールアドレスに一斉配信するもの。最大で毎秒100件の配信が可能で、自然災害関連などの緊急情報や、作業現場などの管理情報を扱うのに適している。またブログにアクセスすれば、集まった情報が時系列で確認できる。価格は配信先登録数100件で月額1万5000円、500件で同5万円。
 同様のシステムは、もともと社内掲示板として2000年から自社で活用してきた。当初は、カメラ付き携帯電話の写真サイズやサーバなどを使った情報配信機能の現状を考えると「情報配信システムのビジネスへの活用はまだ難しい」(榎本和男社長)ととらえていた。
 ところが、その後、携帯電話カメラが300万画素レベルになり、そのままメール送信してもパソコンの画面ではっきり確認できるようになった。サーバなどの関連機器も高機能化で大容量送信が可能になり、情報配信システムとして事業化できると判断した。
当面は官公庁をターゲットに
 カメラ付き携帯電話で撮影した画像データをメールで送信すれば、数多くの場所の情報が集まるので、自然災害や事故など緊急情報から施設管理に関する情報システムまで、さまざまな用途が見込める。実際、住宅メーカーからは、数百カ所の建築現場の情報を一元管理して作業を効率アップできるシステムの引き合いがあるという。
 同社は「自然災害情報の配信や、イベント開催時のボランティア募集の告知板などの需要が見込める」(同)と判断し、まずは官公庁に売り込む方針だ。特に地震対策に力を注いでいる関東地域の自治体に営業攻勢をかける考え。
 また同システムは、仮登録時のメールアドレスと本登録時のメールアドレスを別にすることで、迷惑メール対策になる。これを生かして迷惑メール排除に特化したサービスの提供も始めた。
 危機管理産業展などの展示会に出品して、積極的にPRしている。情報配信システムサービス事業で、2005年度に契約数1000件、売上高1億円を見込んでいる。今後も、独自性にこだわった事業展開を図り、「かゆいところに手が届く中小企業」として勝ち残りを目指す考え。



2万3000顧客を30人でカバー

 佐賀県と福岡県を営業エリアとする医薬品の配置販売業者。訪問販売の効率化や技術向上は個人差が生じることが多い。その差を解消しようと1996年に導入したのが、関連会社ケントップ(佐賀市)が開発した営業支援ソフト「トレフィックシステム」だ。オリエントのITに関する姿勢は、システムを「あくまで道具として使い、営業にどう生かしていくか」(古賀敏美社長)というもの。
 システムは納品、精算、代金回収、商品の入れ替えなどのデータをその場で携帯端末に入力すると、その端末で納品書や領収書の発行も行う。データは会社で統合して商品提案のための顧客分析や在庫管理に利用する。手書き伝票と計算機を使う場合に比べてミスはほとんどなく、会社に戻ってからのデータ入力作業も不要だ。家族構成や病歴、次の訪問日など納品以外の顧客データもチェック形式で入力する。会社に戻って書いていた日報はなくなった。
 システムはスケジュールの作成、管理も行う。約2万3000件の顧客を30人でカバーするには(1)だれが(2)どこを(3)いつ(4)どれだけの時間配分で(5)何をするか−を決めて訪問することが必要だ。システムは顧客の位置関係や必要な訪問頻度、予約などを考慮した計画を自動的に立てる。訪問先では、端末に表示される顧客データを見ながら会話を行う。それによって新人や担当者替え直後の訪問でも顧客ニーズに合った商品を提案することができる。
1カ月で一人前に
 システムの携帯端末は初心者でも簡単に操作できる設計にしている。納品や精算などの基本動作はベテランで7、8分かかっていた。それがシステム導入後は新人でも3日間あれば2、3分でこなせるようになる。売り上げが一人前になるのに、かつては半年はかかったが、現在では約1カ月に短縮された。
 システムによる効率化で生じた時間は季節商品の紹介や、顧客との会話を重視したコンサルティングセールスの充実、社員一人ひとりのレベル向上の時間に充てている。商品知識はもちろん、古賀社長の方針で医療全般の知識習得も図っている。
 システム導入の大きなテーマは「すべての仕事を現場で行うこと」(古賀社長)で、その点で確かな成果を上げた。また、顧客とのコミュニケーションや社員の能力の向上にも役立っている。





1985年にIT導入

 アールビーはノーリツグループの一員としてシステムバスやボイラ、システムキッチンを年間約160機種、10万台生産している。2002年にノーリツが出資比率を30%から51%に高めて子会社化するとともに、社名をロケットボイラー工業からアールビーに変更した。
 同社の加藤武一取締役管理室長は「在庫の管理に最も力を注いでいる」と話す。1機種あたり数百種類の部品を必要とするうえ、年々単価の切り下げ、短納期、高品質の要求が厳しくなることもあり、ITを用いた生産システムの効率化に早くから取り組んできた。
 1985年に工程管理の自動化に着手。汎用機によるコンピューター統合生産システム(CIM)を開発し、自動発注、自動生産計画、自動納期回答を可能にした。これにより、ストック割れや過剰生産の問題を解決した。
 1995年にはLANを構築した。50台を超えるパソコンで受注生産工程管理のデータベースから製番カード、加工指示書を作り、部品所要量管理システム(MRP)と連動させて、製品の精密なデータ管理と品質管理、短納化を実現。図面、見積もり、発注、決済などを電子データ交換化した。
 同社には協力会社が約250社もあり、1995年以前は一日平均約70社に部品の発注をしていた。そのため外注先からの部品納入の遅れが問題となっていた。そこで自動ファクス発注システムも導入。受発注から経理業務、さらに協力会社に至るまでフォローできる生産・管理システムがほぼ完成した。
生産管理をほぼ終え、現場の効率化へ
 だが、生産効率化の取り組みに終わりはない。システムを構築した後も、ファクスでの発注をメールに切り替えるなどシステムの改良は着実に続けてきた。
 その間、一日に2回だった部品発注は12回に増え、システムをさらに高度化させる必要性が生じてきた。2004年からは在庫状況のチェックをほぼリアルタイムで行えるようにするとともに、ベースを汎用機から分散型に改めるため、一年かけてシステムを全面的に切り替えた。
 それまで半日前の在庫データを基に発注をしていたが、新システムでは1時間ごとに在庫データが更新され、より実態に近い在庫状態をコンピューター上で確認することが可能になった。また、従来は汎用機の操作がある程度必要だったものが、分散型になったことで、各部署のコンピューターで必要な操作がほとんどできるようになった。 
 加藤取締役は「生産管理の効率化はやれるところまでやった」と新システムに自信をみせる。だが、「実際に物をつくるのはコンピューターではなく現場。今後は現場の効率化を図る」とも。同社の生産効率化への挑戦はまだまだ続く。




地元に役立つサービスを展開

「事業区域性をとるタクシーだからこそ地元の人に生かされている感覚が必要であり、地元に役立つことを考えなければならない」との揺るぎない方針を示す。
 2000年5月に、介護サービスに乗り出した。タクシー会社が社会に役立ち、事業としても成り立つものとして注目したからだ。介護を必要とする老人の送り迎えをタクシーが行うなら、タクシーの運転手がヘルパーの資格を取って専門的に行うべきではないかと考え、新しく介護事業部を組織した。
 当初、ヘルパーの資格を持つ人は2級4人、3級4人と少なかったが、現在では運転手60人中で2級の資格が33人、1級が5人と増えている。ワンボックス型の介護タクシー1台、車いすを載せる福祉タクシー2台を備え、タクシーでの送迎や居宅介護などにフル回転している。利用回数は毎月700回から980回と多く、売上高も05年は2700万円強になっている。
 また、2004年7月には、用を足すための乗り合いタクシー「ようたすカー」の運行を始めた。バスの運行が少ない中山間地域のようなところでは、一般に市町村が運行する乗り合いタクシーが老人の足になっている。しかし昭和タクシーは、市町村がシステムを導入して運行するより、ノウハウを持つタクシー会社に任せるべきだと考えた。
 65歳以上の人に登録してもらい、コースを決めて時間指定で運行する。「ドア・ツー・ドアで1回300円なので、お年寄りには好評」(安斎社長)という。
身体障害者とドライブも
 福島県の主要都市である福島市や郡山市でも、客待ちタクシーが多すぎて交通の障害になるほど。これに対し、二本松市では「幸いにもタクシー会社が合併を重ねて、適正な台数を維持」(安斎社長)しており、同社は土台となる事業をしっかり維持しながら新規事業参入を果たしている。
 毎年秋には社会還元の一環として身体障害者施設の人たちを誘い、「さわやかドライブ」を行っている。2005年9月には旧安達町(二本松市と合併)の身体障害者施設の入居者を連れて裏磐梯をドライブした。さわやかドライブは年1回、累計20回以上続けており、行き先も裏磐梯だけでなく、いわきや相馬のような海にいくことも多い。
 「タクシー会社にできることは、まだたくさんある。ようたすカーもタクシーにとっては相反する事業かも知れないが、積極的に乗り出すことで、タクシー経営にプラスにしている」と安斎社長。地域に根ざすことが同社発展の秘訣(ひけつ)のようだ。





東大と共同開発

 長野県の東信地域の上田市に本社を置く山辺は工具、部品、機械の専門商社として多くの製造業に信用を築いてきた。コンピューターを導入したのも早く、業界の先陣を切ってIT化を推進し、業務の改善や効率化、スピード化を図ってきた。
 2000年に構築した「ウェブ在庫情報管理システム」は、各社が持つ在庫の品名、数量、価格、納期、場所などのデータベースをインターネットを通じて山辺のホームページで紹介。利用者は売り手、買い手とも無料の会員登録制で、実績を上げた。
 それ以前の1997年に、玄場公規東京大学工学系助教授と、カタログのデジタル化によりインターネットで取引する「設計・業務支援システム」の共同研究開発に着手した。この研究テーマは2002年に長野県から「創造法」の認定を受けた。2003年には、経済産業省から「中小商業ビジネスモデル支援事業」に採択された。
 「設計・業務支援システム 設計110番」は2004年に完成した。このシステムは部品や工具など40万アイテムのデータをサイトに網羅して、機能や同等品などをカタログなしで検索でき、物流まで効率化を図った。部品はネジや切削工具など7種に分類。詳細情報は材質やサイズ、価格など10項目に分け、ここから商品群をピックアップできる。山辺隆久社長は「デジタルプラットフォーム(情報のかたまりを格納するという意味)を中小企業が利用することでメリットを享受してもらいたい」と話す。
中小企業活性化支援システムも
 これらの研究開発で2004年に、経済産業省から「IT活用型経営革新モデル事業」として認められ、3000万円の補助金交付を受けた。現在、研究に取りかかろうと準備しているのは「デジタル中小企業活性化支援システム=図」。信州大学繊維学部内にある産学官連携支援組織のアサマ・リサーチエクステンションセンター(AREC)と連携して、2006年中には情報公開する計画。
 このシステムは、各会員企業から生産設備の稼働状況などを分析した管理データをインターネットを通じて集め、ARECのサイトにデジタルプラットフォーム化する。各社は空いている設備に加えて独自技術なども入力して、会員同士で仕事や技術のマッチングを図る。これにより中小企業に元気を出してもらう狙いがある。
 山辺社長は「顧客ニーズをいち早くつかんで、無駄のないシステムで素早く供給する対応」が、ビジネスにつながることを重要視してきた。ここ3年間の同社の売り上げは、前年度比で毎年約15%成長と成功を収めている。