自動車板金塗装業
● | もともと自動車ディーラーや損害保険会社などからの間接受注が中心の「下請け性」の強い業種であったが、近年はこれらの元請け企業がみずから板金塗装を手がけるケースが増え、競合が厳しくなっている。 |
● | 自動車のボディーの凸凹補修(デントリペア)、線傷補修(スクラッチリペア)などの軽板金の市場が急速に拡大している。起業にあたっては、これら自動車関連サービスを複合的に手がけることも検討してみる必要がある。 |
1.開業にあたっての必要な手続き
● | 自動車板金塗装の工場を建築する場合には、 ・建築基準法 ・消防法 ・水質汚濁防止法 ・下水道法 ・騒音規制法 ・振動規制法 ・悪臭防止法 などの適用も考えられる。地方自治体によっては、工場設置の認可が必要なところもある。 これらの法律の取扱いは地域によって大幅に異なっている。 詳細に関しては開業を検討している地域を管轄している市町村の担当部署で、情報を得ることができる。 |
● | 自動車板金塗装業を始める際には、「溶接機(アーク溶接機、点溶接機、ガス溶接機など)、車体修整機、板金工具一式、塗装機器(スプレーガンなど)、塗装乾燥装置、パテ類」など、必要最低限のものだけでも50種類以上を揃えなくてはならない。 これら設備機器にかかる費用は工場の規模や設備機器の種類によって大きく異なるが、少なく見積もっても200万円程度は必要となる。 必要な設備のなかには、法律に定められた許認可や届出が必要なものもある。 <届出が必要となる設備の例>
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2. 起業にあたっての留意点・準備
1)設備投資
小規模事業者が多いため、経営における近代化が遅れ十分な設備投資が行なわれていないケースが多いため、最新の設備を取り入れること自体が、競合他社との大きな差別化となる。 設備の導入には多額のコストがかかるため、安易に導入するのではなく、綿密な収支計画を立ててから行なう。 |
2)経営の合理化
コンピュータの活用などにより、見積もり・整備内容・料金算定・請求などの事務的作業や、生産ラインのシステム化を効率的に管理できる体制を整える。 |
3)営業力の強化
元請け企業などの参入により、自社自身での営業力を高めることが求められている。 ・広告やチラシなどにより営業圏を広く設定する一方で処理能力をアップさせ、利用機会を逃さないように体制を強化する。 ・簡単な見積もりや修理の受付などを掲載したホームページを作成することも考えられる。 |
4)人材の確保と育成
自動車板金塗装は特殊な技術を要するため、優秀な人材の確保が重要となる。しかし、業務がきついことなどから定着率が低く、優秀な人材が育ちにくい環境となっている。これらを改善し、優秀な人材の育成および定着化が求められている。 ・人材の育成方法としては、職場内で行なうOJTのほか、職場外で行なうOFF−JTを取り入れ、強化を図る。
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3. 必要資金例
郊外・幹線道路沿いに敷地面積150坪、工場面積120坪の自動車板金塗装工場を開業する場合の必要資金例
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4. ビジネスプラン策定例
1)売上計画例
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2)損益計算のシミュレーション
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※人件費:社員7名、アルバイト3名 |
※ | 必要資金、売上計画、シミュレーションの数値などにつきましては出店状況によって異なります。 また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。 |